『遠い過去が不意によみがえったようなニュースに接し・・』

『遠い過去が不意によみがえったようなニュースに接し、終わらぬ戦後を思わずにはいられない』
 「半世紀以上にわたる情報不開示によって米国への賠償請求の機会を奪われた」。ビキニ環礁での核実験はまだ遠い過去ではないと「春秋」(日経/16/5/11)は語る。「元船員や遺族が、こう訴えて国家賠償請求訴訟を起こした。遠い過去が不意によみがえったようなニュースに接し、終わらぬ戦後を思わずにはいられない。ピカドン死の灰……。核の恐怖をあらわした往時の言葉が、あらためて胸を突く。」
 核爆弾は、今、北朝鮮が注目されているが、この爆弾は世界中にあり、ミサイル等に搭載され、スイッチとつながっている。その爆弾の破壊力・影響力は、既に私たちは経験をしている。それは過去の終わったことではなく、今も続いている。広島長崎然り、そしてビキニ環礁での実験の被爆。自分の生まれる前の出来事が未だに解決されないこの事情をどうとらえてよいものか。日米の間には私たちの知らぬお約束が1945年以降あり、これからも続くのか。被爆した人たちだけの問題ではなく、日本人として、いつまでも黒船の脅威の中で暮らすことの在り方も、考えねばならない。(JN)