『宇宙空間での創意工夫』

『宇宙空間での創意工夫』
 「金星の周回軌道投入に失敗した探査機『あかつき』のちょうど5年ぶりの再挑戦」。「余録」(毎日新聞/2015/12/9)は、利休と秀吉のやり取りから、その「手持ちの材料を予想外のかたちで用いて目的を達成する機転」として、「挫折による失意、次の好機を待つ忍耐、そして時を得ての再起、この物語にわが身を重ね合わせる方もおられよう。最初は意地悪をした金星の女神ビーナスにも何とか言わせたい。『困らぬやつじゃ』と」。
 失敗をしたり、予定通りにいかないのがこの世の中である。想定外などと言わず、次の手を次々と出していかなければならない。であるから、不屈の闘志などというものではない。一度や二度の失敗で動かなくなるような組織構造ではなく、創造力と反省力の二つが必要である。この世界は、大学入試問題のような四択問題のように決まった回答がない。既存にある答えを探すのではなく、新たな挑戦をする訓練をしていないと、非常時に生き残れないのであろう。さて、「あかつき」はこれからどんな情報やまた事件を齎してくれるのであろうか。創意工夫はどのように続いていくのか。(JN)