『いつも2つのことに取り組んできた』

『いつも2つのことに取り組んできた』
 「ノーベル生理学・医学賞に輝いた大村智先生は、山梨県の農家に生まれ、子供のころは勉強のかたわら農作業をしていた」。日経「春秋」(2015/10/6付)は、「二足のわらじの経験がすべて、その後に生きたようだ」と伝える。また、「視野を広げられる環境に身を置いてきたことが財産になったに違いない」、そして「出会いを肥やしにしてきた先に、ノーベル賞があった」とも記している。
 木村智先生、受賞おめでとうございます。研究者は、そのことしかできず人間的に近寄りがたい人をイメージしてしまうが、木村先生はどうであろうか。まずは、素敵な話しか出てこない。話し好きの上司の解説によると、バランス感覚を持っておられるようである。福島県にある関連組織での人事に係っていたようで、お世話になっていたようだ。本社にも数回お見えになっていたようである。本日の「春秋」を読む限りでは、ピカピカ・コースを歩んだというようではない。ただ研究室に埋没してではなく、その活動から「木村先生はノーベル平和賞ではないのか」と思われた人が多くいるらしい。「私自身がものを作ったり、難しいことをしたりしたわけではない。全部微生物の仕事を整理しただけ。それなのにこんな賞をいただいていいのかな」なんて、ご遠慮はいらない。(JN)