『生態系を壊されたのに人間に恩義を感じる動物はいまい』

『生態系を壊されたのに人間に恩義を感じる動物はいまい』
 「スズメバチによる刺傷では年間10〜30人の死者があり、これはクマや毒ヘビの被害よりずっと多い」、これについて、毎日新聞「余録」(2015年09月30日)は、「むろんスズメバチにもそれぞれ生き残りの都合がある。市街地での繁殖や海をまたぐ生息域拡大も、多かれ少なかれ人の営みの結果だろう」と。
 地球は我々のものと、開発を推し進めて、生活圏を広げてきている。それに対して、大自然はそこに住む動植物が環境を取り戻そうと動いてくる。人間は、これを怪しからんと大地を更に開発し、邪魔な動植物を追い出し、また抹消していく。山は崩れ、川は氾濫し、空気は汚れ、温暖化していく気候、山から動物は人間に生活圏に入り込み、強い外来種が大手を振るう。生態系が崩れていくことが良いのか悪いのか、壊すほうは悪いとは思っていないが、被っている方は敵わない。境界線に居る者は、自分たちを守るこに追われる。すべてを人工物にしない限り、この攻防は終わらない。否、自然側の破壊力に我々が屈するのであろうか。蜂の一刺しを馬鹿にしていてはならない。スズメバチの攻撃は、警告でもあり、これは恩返しでもなく、敵からの塩であろうか。そうではなく、自然を敵に回さぬようにしなければならない。我々一般人は、大したことはできないであろうが、まずは自然を大事にしていきましょう。(JN)