『ルールの徹底するドイツ、誰もルールを守らないイタリア』

『ルールの徹底するドイツ、誰もルールを守らないイタリア』
 今回のVWの不正、「閉鎖的な企業体質の中で、利益優先が守るべき唯一のルールとなった」と、毎日新聞「余録」(2015年09月29日)。また、「ルールの徹底したドイツだが、対照的に誰もルールを守らないので絶えず周囲に気を配っているイタリア。経営の透明化は必須だが、そこでは常に人と状況に気を配るイタリア方式の活用も求められよう」と。
 何のために目的を作り、そのためにルールができたのか。我々は、愚かにも、目的とすることを忘れて、目先の決まりに縛られ、それを守ろうとする。また、その決まりを目先の都合で解釈する。何のために、そんなことをしてしまったのだと、後で思う。ドイツ人は規則に縛られ、イタリア人はルールを守らず勝手にする。どちらが良いのか、どちらも良いものを生みだしているし、失敗もしている。どちらに転んでも、ファシズムを経験したがゆえに、もう二度と繰り返さないように、一方はルール化を徹底し、一方は自由気ままを押し通したか。今回のVWの問題は、ドイツ人であるから起きたことではない。日本でも、アメリカでも起きることだ。ドイツの会社が起こしたので、そのインパクトも大きい。問題は、利潤追求における競争下で、経営者が誤った判断をしたと想像する。VWよ、早くこの病から脱して、良い製品を世界に提供してください。(JN)