「中国で最も勇敢な記者」が懲役7年という実刑判決を

「中国で最も勇敢な記者」が懲役7年という実刑判決を
(日経「春秋」2015/4/21付) コロンビアに「エル・エスペクタドール」という新聞の編集長だったギョレモ・カノが殺害されたのは、1986年のことだ。麻薬犯罪に対する厳しい報道が麻薬カルテルの恨みを買った結果だった。97年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は報道の自由に貢献した人をたたえる趣旨で、カノの名前を冠した賞を新設した。ギョレモ・カノ世界報道自由賞、という。その最初の受賞者となったのが、中国の女性ジャーナリスト、高瑜(ゆ)さんだ。共産党政権に対する鋭い舌鋒(ぜっぽう)で知られ、当時は刑に服していた。2年後に自由を回復した高さんはネットなどを舞台にいよいよ健筆を振るい、海外メディアから「中国で最も勇敢な記者」と呼ばれてきた。しかし、先週、高さんは懲役7年という実刑判決を、またも受けた。一政党の文書を国家機密とみなす感覚と、70歳を超えた女性に7年の実刑を科す非情には、驚く。かえりみて、報道の自由に対する決意を新たにする。
(JN) 国にとって自由と言うものは不都合なものである。特に報道の自由に対して国家は、いかなる国も、守りに入る。我が国でも、報道に対するご指導を日々出している。国家機密等言うものはあろうが、ただ不都合な意見に対して、弱き位置人物を裁くのはどうなのであろうか。国会議員がその活動において守られるように、報道する者に対してもその行動は守られることが大切ではないか。不都合なことにふたをし続けることは、いま中国が行っている腐敗政治の撲滅を温存することになりはしまいか。それとも、それを望んでいるのか。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO85934510R20C15A4MM8000/