当選した理由は「立候補したから」というわけだ

当選した理由は「立候補したから」というわけだ
(日経「春秋」2015/4/22付) 日本でもっとも難しい試験は、剣道八段の審査だといわれる。なにしろ合格率は1%。「七段取得の後10年以上修業し、かつ46歳以上」の猛者が集まり、それぞれ計4回立ち合う。技量はもちろん風格や品位も問われる。合格者の体験談が興味深い。それぞれに工夫を凝らして精進し、「結果が気にならなくなったとき」に合格したりするらしい。ところが正念場を迎えたはずの統一地方選の後半戦では、まるっきり違った戦いが繰り広げられている。19日に告示された市長選は、津や長崎など県庁所在地を含む27市で立候補者が1人しかおらず、すでに無投票で当選が決まってしまった。合格率100%という驚きの審査は全体の3割を占める。前半戦で開票が終わった道府県議選でも、無投票が総定数の2割に上った。当選した理由は「立候補したから」というわけだ。技量も人格もよく分からないまま、首長の段位を授けることになる。地方の「消滅」さえいわれる時代である。生き残りがかかったはずの道場に広がる無審査をみれば、憂いはいよいよ深い。
(JN) 無投票当選、これは楽でいい。選挙運動から大変な候補者にとってありがたいし、選挙を運営する方もありがた。否、選ぶ側も選ばずに済み楽である。でも、この楽をしていてよいのであろうか。例えば、現職が引き続き、十数年行政のトップにいることが、市民にも役所に良い事なのであろうか。議会の構成員が変わらずで、どうなのであろうか。変わらないことは、楽であるが、楽である故に、何ら市民に約束することもなく、そのまま継続して行く行政で良いのであろうか。これに、議会も変わらずでは、やはりその地方は衰退して行くのであろう。地方創生、中央は謳っているが、住民自らの意識が必要である。そんな中、「42歳告示日に決意」と群馬・川場村、がんばってもらいたい。因みに私の住む市では、議員定数に1人増しの立候補である。どうも、他人事ではなかった。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO85984300S5A420C1MM8000/