記憶の風化を防ごう、立場や距離を超えて手をつなぐ

記憶の風化を防ごう、立場や距離を超えて手をつなぐ
(日経「春秋」2015/3/1付) 命の次に大事なものは何だろう。福島県相馬市の漁師にとって、それは自分の漁船だった。その日、津波で陸に打ち上げられるのを防ごうと、危険を承知で荒れる海に向かい船を出した。帰港後、変わり果てた町を目にする。皆あの日を境に人生が変わった。そうした福島県の人たちの震災体験が紙芝居になり、被災者自身が地元などで上演してきた。その上演会が、まもなく都内でも4日間にわたり開かれる。震災という体験を、一人でも多くの人に伝えたい。読み手が福島から上京する費用は、ネットを使い不特定多数から寄付を募った。こうしたネットによる資金集めは「クラウドファンディング」と呼ばれ、若者を中心に広がりつつある。きょうから3月。震災からもうすぐ4年になる。記憶の風化を防ごうとする人々が、立場や距離を超えて手をつなぐ。
(JN) 今回の震災は、それ自身の破壊力はもちろん大きかった。でも、被害を少なくすることはできた。過去の人々の声を聴かなかったり、忘れたりしたことを今度は無いようにしたい。「記憶の風化を防ごう」、これはただ記録を取っておくのではなく、私たちの心の中に記憶を常に留めておき、それは次世代に引き継いでいかねばならない。やがては、体験者は居なくなるが、私たち皆が「記憶の風化」を防いでいかねばならない。その方法は様々、自分たちでできることをして行こう。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO83821850R00C15A3MM8000/