好調組も環境変化の激しさを考えれば不断の改革が必要だ。

(日経「春秋」2014/9/26付) 米国の詩人サミュエル・ウルマンの「青春」、「青春とは人生のある期間ではなく、心の持ちかたを言う……年を重ねただけで人は老いない……」(作山宗久訳)。彼の住んだ家を記念館にする際は東洋紡の宇野収氏らが寄付を募った。座右の銘にしていたのがパナソニックを創業した松下幸之助氏だ。「日に新たな活動を続ける限り、青春は永遠にその人のものである」。「日に新た」とはその時々の状況をみて、ふさわしい手を打つこと。独立採算で責任意識を持たせる事業部制は組織を老いさせない工夫だったのだろう。このところの米欧企業の事業再編も、会社の若さを保とうとしているからに違いない。米ゼネラル・エレクトリック(GE)に続いて独シーメンスも家電事業の売却を決めた。日本企業も経営改革が進んできたが、消費の変化に十分対応できていないダイエーなどの例もある。好調組も環境変化の激しさを考えれば不断の改革が必要だ。ウルマンによれば、青春とは「臆病さを退ける勇気、安きにつく気持を振り捨てる冒険心」も意味する。読み直すと改めて啓発されるところがあるかもしれない。
(JN) 人も組織も、青春があれば死もある。生成発展没落、人生50年、大体活躍するのはこのぐらいである。但し、100年以上も続く老舗もあるが、それも看板は残しながらも、生成発展没落を繰り返している。それは、核となる人や部局が、引き継いでいけるからであろう。また、理想や追い求めるものを生みだし、永続的に活力を生み出す力であろう。ダイエーは、残念ながらその引き継ぐ力も何かを追い求める精神も無かったのか。あの信念や自信は、どこへ行ってしまったのか。他の組織に吸収されて、やがて希望も名も消えて行き、失望と共に老い息も絶える。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO77550770W4A920C1MM8000/