（日経「春秋」2013/9/27付） ジャッキー・ロビンソン、人種差別の壁を打ち破ったのは何といってもロビンソンの功績だ。その背番号42は大リーグの全球団に共通の永久欠番となっている。彼が大リーグにデビューして50周年にあたる1997年４月15日からのことだ。ただ当時すでに42番をつけていた選手は継続使用を認められた。この番号を背負った最後の現役選手となったヤンキースのリベラ投手が、今季限りで引退する。来年から、42番をつけた選手がプレーすることはなくなる。もちろん４月15日の「ジャッキー・ロビンソン・デー」は例外だ。この日は逆に、すべてのプレーヤーがこの番号を背負う。大リーグの歴史にあって、ロビンソンの存在はそれほどに重い。すばらしいプレーの記憶に劣らず、卓越した人柄の記憶によって。ロビンソンをドジャースに招いたリッキー会長が、初めて会ったときに口にしたと伝えられる言葉は、今なお味わい深い。「やり返さないだけのガッツを持ってほしい」。自制する根性こそ本物だと指摘したのだ。そして大リーグの宝が生まれた。
（ＪＮ） 世の中、様々な差別問題があり、それをお互いに罵り合い、また傷つけあっている。我々は屈辱的な表現に対して耐えるという事はなかなかできない。やり返してしまうものだ。一人で差別に耐えながら、人並み以上の成績を残したジャッキー・ロビンソンの偉大さは、他にないであろう。これだけ自由な世界になっても、また人種差別はあり続ける。我が国でも、近隣諸国との差別問題は終わらない。1945年8月15日に日本は敗戦となり、朝鮮半島が解放されたとき、日本人に対してやり返す間もなく、朝鮮戦争となってしまい仕返しができなかった。それが今、やり返そうと強く沸き始めているのであろうか。それをまた受けて立とうとしている。同じ血が流れる同士でありながら、なぜ相手の民族を差別的に考えるのか。お互いに自制して、成長しよう。
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