身分を隠して相手方の懐に飛び込む

(日経「春秋」2013/5/31付) 「陸軍中野学校」、時代劇スターの市川雷蔵がクールなスパイを演じて話題になり、陸軍がひそかに設けた諜報(ちょうほう)員養成所の存在はこの映画で世に知られるようになった。娯楽作品だから俗受けする場面が多いが、中野学校が知力、胆力抜群の若手将校を集めて特別な教育をほどこしたのは事実だ。そんなスパイ養成所をつくろう――と考えているかどうかは知らないが、人的つながりで外国の情報収集にあたる専門家の育成が政権のなかで課題になっているという。一般に「ヒューミント」と呼ばれる、さまざまな対人情報活動の担い手である。身分を隠して相手方の懐に飛び込み、心を通わせ、それでいて冷徹に任務をなし遂げる縁の下の力持ちをつくるなんて、容易なことではない。
(JN) 今や情報はインターネットを通じて自由に行き来する時代であるが、それが正しい情報であるのかが分からない。大量の情報の中から真実を見出すてめには諜報部員が必要なのであろうか。価値ある情報は如何にして得るか、それは多分、市川雷蔵ショーン・コネリーのようにカッコ良くできるのか。ゴキブリのように地を這っての仕事であろうか。しかし、本来はこういう方々が必要のない社会を作りたい。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO55670410R30C13A5MM8000/