(日経「春秋」2013/1/24付) 炎熱の砂漠、多湿のジャングル、氷点下の氷原。地球上のあらゆる極限の地で、この会社の社員は働いている。プラント会社の日揮は、約2千人の社員の1割以上が常に海外の建設現場にいるアルジェリアのイナメナスも、その一つだった。石油やガスは、もう簡単な場所では採れない。社員はリスク覚悟で赴任する。多くの途上国の政府が、日揮という一企業に絶大な信頼を寄せている。日本人の技術者が現地の若者を徹底的に指導して、その国の未来を担う人材を育てるからだ。遠隔地に単身赴任する駐在員が口にする一番の困難は「危険」ではなく「孤独」だそうだ。その孤独に耐え、相手国に尽くし、日本の価値観を伝えた侍たちのなきがらが、もうすぐ政府専用機で帰還する。静かな気持ちで迎えたい。失われた命の重さと遺族の無念を思い頭(こうべ)を垂れる。
(JN) 尊い命が奪われれたこと、残念である。赴任するに当たり、種々の思いを背負い、家族や日本のためだけなく、この地域のために闘ってきた。このようなことがまた起こらないために、会社や日本政府は何ができるのであるか。命を蔑ろにするわけにはいかない。まずは、孤独に耐え、赴任地に尽くしてきた方々のご冥福を祈ります。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO50934050U3A120C1MM8000/