受賞が新たな苦闘の始まりとなった2人

(日経「春秋」2012/10/14付) 2人が結婚しようとしたとき、夫となる男性は事実上、獄中にあった。法的な手続きを進めるのは、ずいぶん大変だったらしい。そして16年。夫となった男性は今、ふたたび獄中にある。夫が出獄している時でも逆境続きだったが、夫の名前は劉暁波氏。2年前にノーベル平和賞を受賞した中国の作家だ。妻の名前は劉霞さん。この2年間、劉霞さんは外との接触を厳しく制限されてきた。今年のノーベル平和賞欧州連合(EU)が受賞した。「60年以上にわたり、欧州の平和と和解、民主主義に貢献してきた」との授賞理由。受賞が新たな苦闘の始まりとなった2人の名前こそ、改めて胸に刻みたいと思う。
(JN)この賞はタイムリーであることが求められるのか、勇み足であることがある。佐藤栄作オバマに与えたことがどうだとは言わないが、どの程度、平和に寄与したのか。そういう意味で、EUに与えたことは過去の十分な実績に対してであった。ところで、劉氏の現状はどうなのであろうか。早く自由は夫婦生活になるために、オバマやEUに何ができるのであろうか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO47238340U2A011C1MM8000/