ついに駅のホームから 231008

 空白だらけの時刻表に『天声人語(231008)』は思う▼行き当たりばったりの旅に。内田百閒は『特別阿房列車』、「なんにも用事がないけど、貴社に乗って大阪行って来ようと思う」▼出発までは夜な夜な時刻表を眺める▼時刻表、最近は冊子の発行部数が激減。しかしついに駅のホームからも掲示が消えつつあるとは。ダイヤ改正のたびに差し替えるので経費がかかる。その削減が目的と▼都会では、列車は直ぐにやって来る。仕事で出張する際は、ネットで調べておくが▼取材で小さなホームに降り立つことがある。空白だらけの時刻表に思いは膨らむ。以前はもっとにぎわっていたに違いない。▼あの小さな数字の集まり。寂しくなるのは、秋がもたらす感傷のせいばかりではない。
 (私は)思う。交通は自由な我々の活動の基本権だ。図書館でこんな本に出会った。『時刻表が薄くなる日』(上岡直見)▼上岡氏はこの本で、「交通は人権である」「鉄道とは『駅』である」「乗ってもらうには」「リニアはオワコン」「収支以外の評価が不可欠」・・・・等思いを語っている。