『#耳障りのよい意見』

『#耳障りのよい意見』<2022年11月22日(火)>
 「地元の方々からは『説明に感心した』という声しか聞いていない」との寺田稔氏の語りに『日報抄(221121新潟日報)』は思う▼本当にそんな声しか聞いていないとしたら、世間の実情を正しく把握できていなかったことになる。閣僚、政治家としての資質に疑問を呈されてもやむを得ない▼7世紀、唐の第2代皇帝の太宗は重臣の魏徴に名君と暗君の違いを尋ねた。魏徴の答えは明解だった。「君の明らかなる所以の者は兼聴すればなり。其の暗き所以の者は偏信すればなり」▼つまり名君は多くの人から多種多様な判断材料を得て、適切に判断を下す。これに対し、暗君は特定の人からの耳障りのよい意見ばかりをうのみにしてしまう。リーダー論として、あまりにも有名なこの故事を、本人もご存じないはずはあるまい▼先月来、岸田内閣の閣僚が交代するのは3人目である。この内閣の「適材適所」とは何なのか。「辞任ドミノ」は現実となった。
 (私は)寺田氏の「地元の方々からは『説明に感心した』という声しか聞いていない」に驚いた。平気で、こんなことを言える人が信じられない。なにより、地元の人々はびっくりしたのではないか▼とにかく、政治家だけでなく、私たちは耳障りのよい意見しか聞こえてこないのであろうか。腐敗した組織には厳しい意見は聞こえてこないであろうか。
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