『この季節らしい動植物の息吹』

『この季節らしい動植物の息吹』<2020年5月17日(日)>
 「一歩外に出れば、木漏れ日が揺れて鳥が舞い、赤や白のバラなど花々が咲き匂う」。『春秋(200517)』は斎藤茂吉の歌から今の季節を思う。「茂吉の母の命日は5月23日だ。・・・この季節らしい動植物の息吹が読み込まれていて印象深い。それは、遠い田んぼで鳴き交わすカエルの声であったり、つがいと思われるのどの赤いツバメであったりする。日に照らされるナラの若葉やクワ、アケビの花も登場する。・・・長い冬を耐えて生き生きとしはじめた自然と、消えゆく命をくらべることで母への哀惜の気持ちをより強調したかったと取れる。・・・収束の見えないコロナ禍で心沈む日々が続くゆえだろうか。・・・こんな歌の情景を早く取り戻したい。ひたぶるに/あそぶをさなごの/額より/汗いでにけり/夏は来向ふ(茂吉)。もう少し、がんばろう」。
 (JN) 日々決められた時刻に職場へ向かい、そして同じコースを戻る。その頃の季節感はどうであったろうか。外に出ている時間は多かったが、季節を求めに行かないと、暑い寒いだけの生活であった。今は野外に出るのは尊い時間となった。5月はバラの季節であったか。そして、直ぐに、梅雨とアジサイがやって来ようか。6月にはちょっと足を延ばせるようにならないであろうか。今はベランダの小さな芽を眺める。
#花々が咲き匂う
#木漏れ日