『「無給医」、「白い巨塔」、「古い巨塔」』

『「無給医」、「白い巨塔」、「古い巨塔」』<2019年6月30日(日)>
 「半世紀前の東大紛争の発端は、医学部卒業生が無給で働かされる慣習への異議申し立てだった」。『春秋』(190630)は「悪弊は相当しぶといようである」と言う。そして、「文科省は当初「無給医は存在しない」と全面否定し、・・・無給医かどうかの判断を大学病院に任せ、・・・教授を頂点に、准教授、講師、助教と連なるヒエラルキーのもとで、若手はただ耐え忍ぶのみ――と言えば「白い巨塔」の世界だ。・・・医局の実情が昭和のままだからだろう。働き方改革うんぬんのずっと手前に立つ、古い巨塔である」。
 (JN) 地位も名誉も金も、そこにある。そのための競争は熾烈である。我々にとっては、医師、研究者あるいは管理者として優秀な者が、この競争から生き残ってもらうことを望む。しかし、現実はどうなのであるのか、わからぬ世界である。その中で、無休で働くことは、実績として大切なのであろうか。春秋は、「古い巨塔」と言う。塔とは狭い世界で、閉鎖的で、中が見えない。塔は新しくしてもだめである。「白い巨塔」を倒さぬ限り、この状況は変わらないのではないか。

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