法務省はようやく全編現代語に改める方針という

法務省はようやく全編現代語に改める方針という
(日経「春秋」2015/3/3付) 「人ヲ欺罔(ぎもう)シテ財物ヲ騙取(へんしゅ)シタル者ハ十年以下ノ懲役ニ処ス」。なんだこりゃ? 古くは明治時代に誕生した多くの法律の文語体カタカナ書きは、現代語化に手間がかかるため戦後までしっかり命脈を保ってきた。さすがに近年は刑法や民法の改正が進み、基本六法で残るのは商法の一部のみだ。後半から唐突に文語体の難しい条文が現れるこの法律を、法務省はようやく全編現代語に改める方針という。ただし文語文というものには、ふだんの言い回しにはない味がある。文語ゆえにじつに重々しい。かつて法律をつくった先人たちも、そんな重厚さによほどこだわったに違いない。「偶然ノ輸贏(ゆえい)ニ関シ財物ヲ以テ博戯(ばくぎ)又ハ賭事ヲ為シタル者ハ……」。刑法のなかでもとりわけ難解な条文だったが、なんのことはない。改正後は「賭博をした者は……」の一言だ。六法全書から消えゆく「時代」が、少しいとおしくもある。
(JN) 法律がわかりにくい、これでは困る。その昔、学生のころは、カタカナと文語体に参った。やっと、この商法の改正で法律も現代になるとのこと。教養のないものとしては、とにかく文語体は読みにくいし、あのカタカナにより、文字の意味が目に溶け込んでこなかった。戦後70年、様々な改革が行われ来たが、今後も続くのであろう。「春秋」では「重々しい」文語体をいとおしいと述べているが、法律は実務的であればよいとも考える。難しく重々しいから、弁護士等が重々しく見えるでもないであろう。ルールはわかりやすくありたい。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO83879650T00C15A3MM8000/