きょうは「柿の日」だ

(日経「春秋2014/10/26付) 朝食に雑炊3杯、牛乳1合ココア入り、菓子パン2個をたいらげ、昼はカツオの刺し身、粥(かゆ)3杯に梨、ぶどう酒も。間食として団子を4本、塩せんべい、夕食はまた粥を3杯、なまり節、キャベツ……。明治34年秋の病床での俳人正岡子規の食事、死の前年。10月に入ると果物はたびたび柿で、1度に2個、3個。「かぶりつく熟柿や髯を汚しけり」の句が見える。大好物だった。明治28年10月26日からの奈良旅行で詠んだといわれるのが、有名な「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」である。句の誕生にちなんで、きょうは「柿の日」だという。中国原産なのに、じつに日本的な面持ちを感じるのは栽培の歴史が古いからか。「柿くふも今年ばかりと思ひけり」。子規は死を予期してこんな句を残し、明治35年9月19日、柿の季節にはわずかに間に合わず短い生涯を閉じた。波乱の時代を駆け抜け、食べることにも最期まで懸命であった人だ。その心をとらえた秋の味も、平成の現代では皮をむくのがメンドクサイ、などと敬遠されがちだという。
(JN) 柿は、人により好き嫌いがある。私は、熟々まえのちょっとコリッとする甘い柿が好きだ。正月に干し柿が出るが、これはあまり好きではないが、縁起物として食べるようにしている。積極的にしてまで食べようとはしないが、美味しい果物だある。先週も、知人の庭で取れた柿をいただいた。秋である。食欲の秋、木々も色付き自然が美しい秋である。季節感を忘れ勝ちであるこの生活を目覚めさせよう。そうすれば、生きている喜びや平和な暮らしの有難味も思い出す。まずは、健康で柿をはじめ秋の旬を楽しもう。
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