人もクマも平穏に暮らせるようになるチケット 240228

 マーラーは早朝決まった時間に起きると、すぐに森の中の作曲小屋に入るのが日課だったと『編集日記(240226福島民友)』はクマの目覚めを思う▼マーラーは朝食を取った後は正午まで作曲に集中した。家族はその間、小屋に犬の鳴き声が響かないよう、近所の人にオペラのチケットを配ってお願いして回ったという▼芸術家、夜明けと共に目覚め、仕事に取りかかるという人が多いようだ▼暖冬で冬眠するタイミングを逃してしまったのか、それとも目覚めるのが早過ぎるのか。ことしはクマの目撃情報が早い▼国がクマを「指定管理鳥獣」に追加することを決めた▼人の被害は防がなければならないが、むやみにクマを追い詰めてしまう。人もクマも平穏に暮らせるようになるチケットはないものか。
 (クマは)マーラーのように早朝から活動する。そこで遭遇する。この状況は人間にもクマにも悲劇的な状況だ。この環境を作り出したのは人間である可能性が高い。このお詫びに、人間はクマにチケットを渡すべきだろう。クマの食料確保支援に何ができるのであろうか。互いが世代を超えて長く共存できるようにしたいものである。