『#ボールの値段は』

『#ボールの値段は』<2022年10月15日(土)>
 「飛躍思考」について『春秋(221015)』は思う▼野球のバット1本とボール1個で1ドル10セントする。バットはボールよりも1ドル高い。さてボールの値段はいくらか? 正解は10セント、ではなく5セント▼方程式でなくても図式にすれば小学生も解ける。実はこれ、米国の認知科学者が「飛躍思考」の危うさを説くために挙げる一例だ。答えを急ぐ心理が私たちを単純で間違った論理に飛びつかせる▼「日経サイエンス」7月号で紹介。思考の飛躍をする人は陰謀論やオカルトを妄信する傾向があったという。昨今、デマを助長するような、科学を装う言説があちこちにあふれている▼ワクチンにマイクロチップが仕込まれている、打つと遺伝子が組み換えられる、等々。心配なのは、同時に短絡的な思考様式まで広がったようにみえることだ。科学は聞きたい答えをいつでもひっぱり出せる魔法の帽子ではない。だまされるのが嫌なら、ひと呼吸おいてみよう。
 (私は)恥ずかしながら飛躍してしまった▼どうも、安易な方法に流されたり、優しい言葉や良い響きに吸い寄せられてしまう。世の中は簡単ではない。残念ながら、皆が良い人ではない▼「とにかく、自分の頭を使う。少々軽めでも、脳みそを使い行動しよう」と、自分に言い聞かせているのだが、その軽い頭が危ないね。
#飛躍思考#バット#認知科学#オカルト#陰謀論