『サルバトール・ムンディ』

『サルバトール・ムンディ』〈2017年11月17日(金)〉
 きのうの競売での落札価格された「サルバトール・ムンディ」は五百億円余。『筆洗』(171117)はダビンチの言葉を紹介する。「灯を凝視しつつその美しさを観照したまえ。瞬きしてこれをいま一度見直したまえ。そこに君の今見ているものは前にはなかった、そこにかつてあったものはもはやないのである」。そして、この絵もはかなく消えたかもしれないが、「半世紀また行方知れずとなったが、再び世に・・・・。この『人類の宝』が今後、公開されるかも定かではない。ダビンチは『誰より多く持っている者は誰より失うことを恐れる』との言葉も残したそうだが、この絵を我が物にした人物は、『救世主』に心の平穏を得ることができるか」。
 (JN) ダビンチの絵になぜこれほどの価格がつくのか。それほどの価値があるからだろうが、何という落札価格であろうか。天才への憧れ価格もあろうか。悪魔の左手は、様々なものを創造したが、それを自分で現実化したのは少ない。ダビンチの時代に、彼の頭の中を現実化できた者がいたら、世界はどう変わっていたろうか。その中で、絵画は件数が少ないが、彼が直接に創造を現実化したものであろうか。その魔力に私たちは引き寄せられる。この天才が創造した『サルバトール・ムンディ』を生で見てみたものである。落札した者はいったい誰であろうか。この作品を独り占めにするのか。広く商売をしていくのか。サルバトールも見たいしこの落札者の顔も見たい。