『メガデス』

メガデス』<2017年11月7日(火)>
 『はかりきれない世界の単位』(米澤敬著、創元社)を『筆洗』(171107)は紹介する。「パイプ」(たばこの煙が出るまでの距離)、「お茶一杯の距離」(熱いお茶が飲み頃になるまで走り続ける距離)、「ポロンクセマ」(トナカイが休憩なしで走り続けられる距離)。では「メガデス」は? ハーマン・カーンが冷戦時代に考えた核戦争犠牲者数で「百万人の死」を意味すると。さて、「かつて米政権内で北朝鮮攻撃が検討された時は、本格的戦争になれば死者は百万人台との試算があったという。「『万人の死』の重みを、大統領はどう感じているのか。やたら勇ましい言葉だけを並べる声を聞いていれば、『メガデス』という単位がやけに重く響く」と。
 (JN) 北朝鮮は危険極まりないことは間違えないが、米国の大統領はどうなのか。それにヨイショしているどこかの首相もどうなのか。この二三日、とても楽しそうだが、裏では何を話し合われているのか。北朝鮮、米国および日本、それぞれの国でこの人たちを私たちはそれぞれの方法で選んでいる。その国民である。その選んだ国民の命をどう思っているのかはわからない。米国と北朝鮮との距離はあるが、日本は直ぐ近くであり、東京のど真ん中に横田基地が存在している。ここへドーンと飛ばせば、何メガデスになるのか。その中に自分も含まれるのかと思うと、ぞっとする。はかりきれないメガデスである。そして、生き延びても、我々は地獄に世界に入り込まねばならないか。