『読書の秋。落ち着いて本を読むチャンスと思えば、・・・』

<2016年9月29日(木)>
『読書の秋。落ち着いて本を読むチャンスと思えば、悪天のうらめしさも少しは紛れるか』

 「夏目漱石の留学先であるロンドンで、彼の足跡を伝えてきた漱石記念館がきのう閉館した」。これにふれ、「天声人語」(160929)は、彼のロンドン生活を想う。「日記には『悪い天気で雪が降っている。当地のものは天気を気にかけない』とある。漱石は心の調子を崩した時期があった。漱石は大学の聴講を途中でやめ、英書を買い込んで読書に没頭した」。一方、現在の「東京は梅雨を思わせる空模様が続く。日差しが恋しい。読書の秋。落ち着いて本を読むチャンスと思えば、悪天のうらめしさも少しは紛れるか。」

 前線の地は、攻防の場であり、そこに住む者はその攻防の下で、生き抜いていかねばならない。灰色の空から雨の空襲、地上の破壊も続き、壁を壊されることもある。この攻防から逃れるためには、どこかに逃げるか、家に閉じこもるか。秋のはじまりは暗い。特に、今年は攻防が長い。でも、これからの秋晴れを期待し、その準備をしよう。食欲、運動、鑑賞・・・・・・のために、書籍を開くか。否、パソコンを開く。開いたメーラーの画面も雨になっている。(JN)