『少しでも易しい言葉で伝えようとする試みは、優しい営み・・・』

<2016年9月24日(土)>
『少しでも易しい言葉で伝えようとする試みは、優しい営みでもあるのだ』

 災害時に如何にあらゆる人たちに重要なことを伝えられるか、その努力の必要性を「筆洗」(160924)は、庵功雄『やさしい日本語』より伝える。「阪神大震災の時、<容器をご持参の上、中央公園にご参集ください>。これでは外国人の住民には伝わりにくい。例えば大雨のたびに耳にする『避難準備情報』は、『要援護者ら避難に時間がかかる人は避難を始め、それ以外の人は避難準備を始める』との意味だが、どれほどの人が理解しているか。「お年寄りやお体の不自由な方、また、小さなお子様がいる家庭では直ちに避難してください」との文を添えているなど、少しでも易しい言葉で伝えようとする試みは、優しい営みでもあるのだ。」

 権威がそうせるのか、特にお国からの通達は解読が難しい。近年はそうでもないが、重要事項を伝えるというより、重要伝達事項を解らないようにしているようでもあった。何のために通知しているのか、無駄な行為である。特に、非常時や緊急を要する時に、多様な人々が理解できることの能力がなければならない。若いころ上司から、「小学生にもわかるように書け」と言われたような記憶がある。それは、結構難しい。でも、情報を提供する者の最低限の心得である。とにかく、伝達事項が遺漏無きように。(JN)