『通称「黒こげの少年」、70年ぶりの兄妹再会』

<2016年8月8日(月)>
『通称「黒こげの少年」、70年ぶりの兄妹再会』

 「長崎原爆資料館には、むごさゆえ一目見ると残像の消えない写真がある」。通称「黒こげの少年」、その少年身元が判明したことについて、「天声人語」(16/8/8)は伝える。「『見た瞬間にビビビビビッと来たんです。これは兄だ。間違いない』と美代子さん(79)はふりかえる。兄妹のつながりはかくも強い。長崎原爆忌のあす、姉妹はかつて兄の通った旧制瓊浦中の同窓生らが開く慰霊祭に出席する。もちろん写真の兄も一緒である。」

 家族とは別れて70年を経っても忘れない。しかも、黒焦げの死体を兄とわかる。8月9日という日は忘れることのできない日、その日以来、谷崎昭治さんの中学校時代の姿は妹さん達には変わらぬ姿が残っていたのだろうか。見た瞬間に兄とわかった時の想いは計り知れない。なぜ、一般市民がこんなことに遭わねばならないのか。地球上で今も続く大国の恐れを知らない破壊行為、そしてそのために日本政府は市民の生活を犠牲にしてまでそれに協力することが続いている。敗戦国の戦後処理はまだ終わらない。(JN)