『離脱は「歓喜の歌」より自国のマーチ「威風堂々」を選んだ・・・』

『離脱は「歓喜の歌」より自国のマーチ「威風堂々」を選んだかにもみえるが』
 「『歓喜の歌』は現在も『欧州の歌』として統合の象徴であり続けている」そのヨーロッパは、「英国が欧州連合(EU)からの離脱を決めた衝撃の余震が続く」。これについて、「春秋」(日経/16/6/29)はそれでも共通文化を持つヨーロッパに期待する。「離脱は『歓喜の歌』より自国のマーチ『威風堂々』を選んだかにもみえるが、方針が揺れ続けては国の信認に関わる。往時の作曲家は欧州を股にかけた。モーツァルトは旅に暮らし、大陸出身のヘンデルはロンドンで活躍した。共通の文化の地盤が厚ければこそだ。欧州のそんな底力も問題を解く鍵のひとつになるまいか」と。
 英国が最終的に決断し、離脱する「運命」の日は何時になるのか。それとも、再度、振出しに戻るのか。一方で、他国も追随し「さまよえるオランダ人」が生じるのか。離脱が続き、国家間での摩擦が大きくなり「ワルキューレ」が飛び交い、「レクイエム」でも流さねばならないようにならぬことを思う。今回の英国民投票の結果を受けて、英国とEU諸国が啀み合うことなく、協力し合う国として再び「歓喜の歌」を奏でて欲しい。それともヨーロッパは「黄昏」を迎えるだけであるのか。地球上の国々は、それぞれの出来事を他人事としていられなくなった世界である。互いに「愛の挨拶」交わし、「威風堂々」と歴史を刻んでいこう。(JN)