『AIを備えた兵器開発を禁止せよ。1万2000人余の署名』

『AIを備えた兵器開発を禁止せよ。1万2000人余の署名』
 「AI兵器が戦争における火薬、核兵器に次ぐ『第3の革命』をもたらすと、毎日新聞「余録」(2015年07月31日)は、「自律型人工知能(AI)を備えた兵器開発を禁止せよ??そう訴える文書が研究者ら1万2000人余の署名を集めてAIの国際会議で公表された」ことを伝えている。また、「フランケンシュタイン・コンプレックス」、人造人間を作り出す者が、やがて自らが創造したものに滅ぼされるのではないかと恐れる心理である。『ロボットは人間に危害を与えてはならない』。アシモフのロボット3原則は、作中では2058年版のロボット工学のハンドブックに初めて掲載されたということになっている。しかし、科学の進歩は小説よりも早く、物理学者のホーキング博士やアップルの共同創設者ウォズニアック氏らが警告する。アシモフは述べている。『現在の最も悲しい光景は、社会が知恵を積み上げるよりも早く科学が知識を積み上げていることだ』。」
 AIを備えた兵器開発を禁止せよ。そう、AIにしても、鋼、火薬、ダイナマイト、化学ガス、原子力など、その使い道を決めるのは人間である。権力を獲得するために、我々人類は、様々なものを武器に利用した。そして、これからもそうして行くのであろう。そんな人類であるのに、どこかの国は、理学工学優先でいくのか。ヒューマニズへの理解が不足すると、ますますそのような状態が起きるのではないか。大学教育から人文科学を追い出そうとしているが、大丈夫であろうか。人を愛することができない者は、科学を研究してはならないとは言わないが、バランス良い人材を育成するのが、大学の役目である。フランケンシュタイン博士は、小説の中で小説家が作り出したが、現実にもこのようなモンスターを誕生させることがあり得る。そうはならぬよう、教育機関はバランス良い教育をせねばならないはずである。