『自ら外に出ていかないと見えぬものもある。内向きには要注意』

『自ら外に出ていかないと見えぬものもある。内向きには要注意』
 日本人のインバウンドに、日経「春秋」(2015/7/24付)は、懸念する。「この上半期(1〜6月)の訪日客は913万人、前年同期比でなんと46%も増えた。一方で、出国した日本人の数は4.9%減なのだ。同じ傾向は13年の初めから続いていて、まるで回復の兆しがない。要因は円安や中国や韓国については関係悪化も災いしていよう。ところが向こうはどうやらへいちゃらだ。爆買いの主役の中国人だけでなく、韓国からの客も上半期は43%増えた。親日的とされる台湾の29%増より伸びが大きい。とにかく、自ら外に出ていかないと見えぬものもある。われらがインバウンド(内向き)には要注意である」と。
 海に囲まれた我が島国日本、鎖国の夜明けからまだ150年弱、外へ出て行くのは苦手なのであろう。地震や異常気象があっても住みやすく、海外の情報は座っていても入って来る。態々、危険を冒してまで、海外に行く必要がないのだろう。でも、体験にこそ、発見があり、新たなつながりがある。円安で輸出が伸びるのも結構だが、日本人が世界中に入り込み、日本に対する理解と信頼を得ることが大事だ。それが輸出の基礎となるべきだ。若者よ、遠慮は無用、無礼と思われても困るが、接すればこそ理解が得られる。理由など後で良い、海外へ出て行こう。(JN)