『宇宙飛行士、ぶれずに訓練を続ける姿勢を持ちうること自体が成功』

『宇宙飛行士、ぶれずに訓練を続ける姿勢を持ちうること自体が成功』
 「宇宙飛行士にとって、成功とは何だろうか」。東京新聞「筆洗」(2015年7月23日)は、クリス・ハドフィールドさんの『宇宙飛行士が教える地球の歩き方』を紹介している。そこでは、「宇宙に行くことだけが宇宙飛行士の成功ではない。『成功とは、発射台に行き着くのかどうかもわからない、先の見えない長い旅のあいだずっと、自分の仕事に満足していられることだ』と。徹底した訓練を重ね、ぶれずに訓練を続ける姿勢を持ちうること自体が成功なのだと」。更に、「そういう意味では、きょう宇宙に飛び立つ油井亀美也さんは、既に成功した宇宙飛行士なのだろう。五月下旬に飛び立つ予定だったが、補給船の事故の影響で延期されてしまった。その時、油井さんは『今月末に宇宙へいく準備は全て整っていましたが、更に訓練をする機会を頂けました!』。そう思うまでに、どれほどの時間を費やしたのであろう。」
 憧れの宇宙飛行士、その実現の道は険しい。テレビ画面で見る宇宙での生活や作業を行う姿には、それまでの苦労や宇宙の怖さが伝わらない。身体だけでなく、その精神力とコミュニケーション力の備わった健康な人物であろう。油井さんは、早く宇宙へ飛び立ちたいと逸る心もあろうに、訓練を続けるその力は何なのであろうか。凡人の私には、想像すらできない。宇宙船は、今は、地球の周りをまわっているが、今後、地球から飛び出して行くことになると、更にどんな訓練とそれに耐える能力が必要となるのか。そして、更なる未来は技術の進歩で柔い私のような者でも、宇宙の旅ができるような時が来るであろう。それは楽しみであるが、多分、そこまで命は続かないであろうから、遺言で「遺灰は木星に飛ばして欲しい」としたい。