2本の生命線にまつろう悲劇に、どう目を凝らそう

2本の生命線にまつろう悲劇に、どう目を凝らそう
(日経「春秋」2015/4/10付) 「満蒙は日本の生命線」。「南洋は海の生命線」。サイパン、トラック、パラオ……。日本の委任統治下にあった群島には、矛盾をはらみつつも穏やかな歳月が流れていたという。太平洋戦争はまさに太平洋の、こうした美しい島々をめぐる攻防であった。海と島はにわかに戦場となり、おびただしい数の人々が落命した。玉砕というむごい死が無数にあった。きのうペリリュー島天皇、皇后両陛下は慰霊碑に白菊を供え、十数秒間も拝礼された。去来した思いは果てしなく痛切であったに違いない。満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、日本のあり方を考えていくことが極めて大切だ――。ことしの年頭の、天皇陛下の所感である。2本の生命線にまつろう悲劇に、どう目を凝らそう。
(JN) 体調が万全ではなくとも、戦争の悲惨さを振り返り、未来へ希望を託する。ありがとうございます。このことは、様々な思想を持とうが、静かに受け止め、このことが二度と起きないように私たちはして行かねばならない。それにしても、我が日本軍はなぜ、兵隊を全滅にまでさせるようなことを行なったのか。人の命は、死ねば終わりである。生きていれば、また何かができる。軍の司令部は、我が軍の兵隊の命よりも大事にしたものは何であるのか。私たちは生きて何かを成すためにいる。どの命の尊さも同じ中、自分たちの生命線のために、他者の生命線を攻めねばならない私たちは、何に動かされているのか。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO85515410Q5A410C1MM8000/