「大阪都」構想をめぐるどんでん返し

(日経「春秋」2015/1/15付) 「どんでん返し」は江戸中期の大坂で始まったらしい。歌舞伎の舞台転換技法、並木正三が考案したという。「大阪都」構想をめぐる、年末からのどんでん返しは誰のシナリオなのだろう。住民投票に反対していた公明党が方針転換、地元の発案ではなく、東京の公明党本部が求めたそうだ。たしかに最後は民意がすべてだが、そもそも投票にかける新制度案自体への疑義が少なくない。ほんとうに無駄の排除につながるのか。どんでん、どんでん。こんな鳴り物の響きとともに舞台が変わるからどんでん返しというそうだ。大向こうからはヤンヤの喝采、この勢いで住民投票も可決だと橋下さんなど意気盛んかもしれない。さてしかし、こうなった以上は構想の中身がつぶさに問われること必定だ。かねや太鼓の音ばかりでは愛想を尽かされよう。
(JN) 公明党は、上意下達であるのか、本部決定が優先されたのであろうが、なぜ、橋下さんの意向に沿ったのであろうか。反対していた組織がどんでん返しをするには、それ相当の目算があるのであろうか。それは別として、住民投票をするという事に膨大な経費が掛かろうが、それだけの「人ものかね時間」を費やしてやる必要があるのか。大阪府公明党は、そこを考えて、本部指示に従ったのであろうか。どんな組織であろうと、本部命令と言うものは優先されるのであろうが、個々の地域を人々の考えが活かされていくのが、地方創生にもつながろうに。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO81953890V10C15A1MM8000/