アベノミクス。出口がまだ見えない。

(日経「春秋」2014/12/2付) クレタ島の迷宮は一度入ると出られない。牛頭人身の怪物ミノタウロスが幽閉され、貢ぎ物の少年少女を食べていた。英雄テセウスは自ら、いけにえとなって潜入する。魔物を倒すと、王の娘が渡した赤い糸をたぐりながら出口を目指した。娘の名にちなんで「アリアドネの糸」という。いまでは、混乱から抜け出すのを助ける救いの手や道しるべを意味する。最近、脳の中にも似た仕組みがあることが分かってきた。この役割を担う神経細胞の発見に、今年のノーベル生理学・医学賞が贈られる。デフレ脱却を目指したアベノミクス。出口がまだ見えない。今日の公示で衆院選が始まる。脳細胞を絞った一票が集まって、迷路を解く太い糸を紡ぎ出してくれると思いたい。
(JN) 日本経済は、迷宮なのであろうか。いつまでも過去の財産の理論でなんとかしようとしても、駄目なのであろう。まずは、出口が何か、それが問題だ。国民にとって、どういう状態が良いのか、ただ大企業の売り上げが上がれば良いのか、輸出が伸びればいいのか、デフレ脱却すれば良いのか。形のない金融資本が伸びても、国民は潤うのであろうか。国民は、生贄になっているのではないか。我々は、縛られており、それを金融資本と言う魔物が呑み込んでいくのである。この魔物は死ぬことはない。呑み込まれないように、逃れるにはどうしたらよいのか。それが分かれば、ノーベル賞か。その前に、迷子にならない代表者を選ぼう。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO80380400S4A201C1MM8000/