突然の解散が、さらに時間稼ぎをする口実に

(日経「春秋」2014/11/25付) 零余子(むかご)このコードネームで呼ばれる極秘作戦を、24年前に警視庁が進めていた。狙いは北朝鮮の非合法活動。拉致事件の解明につながるとの期待もあった。作戦は立ち消えになった。ほどなくして国会議員団が北朝鮮を訪問する。真相は不明だが、当時を知る警察の幹部は「訪朝を前にした捜査は許されなかった。政治に翻弄された」と悔しがった。完全に選挙モードとなった永田町を見て、この話を思い出した。どんな結果が出るとしても、公示、投票、組閣と、政治の空白は年末まで続く。ようやく再調査に重い腰を上げた北朝鮮は、その後も、のらりくらりといった印象である。突然の解散が、さらに時間稼ぎをする口実を与えはしないか。当時中学1年生だった横田めぐみさんが連れ去られた現場に立てば、日本海から冷たい風が吹いてくる。この海の向こうに、助けを待つ人たちがきっといるはずだ。今度こそ交渉が進展して、大きな実を結ぶことを祈る。
(JN) 朝鮮半島と日本列島の間では、悲しい人の行き来が多くあり、それが現在まで続いてる。海を隔てているにもかかわらず、その地理的そして人種的距離が近いので、それが可能なのである。でも、何のために、この拉致は行われたのか。いわゆる一般の大人ばかりでなく、子供まで拉致されなけれならないのか。私たちは、いつまで金朝廷の行動を許しておくのか。私たちは、軍事的行動をとることができない以上、政治行動の延長上にあるのは経済制裁であるが、それを行うことで、どこまでこの朝廷に考えさせる効果があるのか、また個々の人民がさらに苦しむことになり、日本を憎むのか。この状態は、朝廷が韓国を一緒にならない限り解決されないのであろうか。それとも、日本の政治が改善されて、政治力が上がることで解決に近づくのか、それはその姿を想像できない。ここは、民間が立ち上がって行くしかないでであろうか。政治家の口車には解決方法はない。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO80086900V21C14A1MM8000/