足元の小利に目を奪われ、後の大利を失う

(日経「春秋」2014/11/20付) 目先の違いにとらわれるのを笑う「朝三暮四(ちょうさんぼし)」の故事と違い、我々は、利益が得られるように計算して、合理的に行動する。将来に備えてお金をため、生涯の収入を考えながら使う。目先の収入の増減には、強い影響は受けない。かつて経済学はそんな人物像を描いていた。現実は違う。先を見越していたはずが、ローン破産や借金苦に陥る人もいる。せっかちな人は、来月の1万円より明日の5千円を選ぶ。足元の小利に目を奪われ、後の大利を失う。後悔先に立たず。不利なことは後回しにしがち。そうした感情も経済を動かしている。消費税の税率引き上げ延期が決まった。景気回復が遅れ、デフレ脱却が危ういからという。アベノミクスが順調なら事情は違った。成長と財政再建社会保障の充実を同時に追うのは難しい。それより目前の政治態勢の再建を急ぎたい。そんな心理が働いたとすれば、後に得られるはずの大きな利を失ったのかもしれない。
(JN) 私などアホであるので、日本の企業が潤うから我慢してくれとか、「朝三暮四」や目先の小利に簡単にそれをのんでしまう。我が日本には、そのような人がどのくらいいようか。消費税の引上げが先延ばしされても、返さねばならない国家の借金は増えるばかりである。年齢の高い政治家は、嫌なことを先延ばしして、次世代に押し付けて行く。そして、我が身有利と思えば、経費がかかる選挙をやろうとする。その衆議院の選挙地の定数は、憲法違反のままである。その違反状態での選挙をおこなうことを私はもう忘れてかけていた。昨日も駆け込みの議案をどんどん通していたが、議案の優先順位はどうなっているのか。議員たちは何を優先と考えているのか。彼らも、目先の小利優先なのであろうか。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO79937160Q4A121C1MM8000/