父さんの お腹で試す 賞味期限

(日経「春秋」2014/7/13付) 「賞味期限 わたしもチョコも 崖っぷち」。加工食品に賞味期限表示が導入されたのは1995年。本来は「おいしく食べられる期限」なのに、これを過ぎたらもうダメ、みたいに誤認されてもいる。「賞味」なる言葉の曖昧さと、日本人の潔癖症がもたらす現象かもしれない。冷蔵庫の奥にチーズを発見したのにああ1日遅かった、などと嘆くのだ。だったらあまりに厳密な「年月日」表示をやめて「年月」にとどめておこう――という動きが出てきたのはもっともな話である。まだ食べられるのに捨てられる食料は、年間500万〜900万トンにのぼるという。この膨大なムダを減らすのに表示改革は効果を発揮しそうだが、肝心なのは判断力のある、賢い消費者になることだろう。そういえば賞味期限導入のころの川柳に「父さんの お腹で試す 賞味期限」。まあこれは勘弁してほしいけれど。
(JN) 賞味期限は、食べられる期限と思い違いがされてしまったのか、この期限で食品が捨てられてしまうことがあった。確かに、美味しいうちの味わいたいが、捨てることはない。贅沢になったものである。これは、売る側にも策としてあったのであろうか。我が商品の美味しさを間違えなく味わってほしい、不味いと言われては困るので、早めに賞味期限を定めることでの安全策など、詮索すれば他にもあろうが、ともかく資源乏しき日本で無駄を少なくしたい。またこの地球上には餓死者が存在することを忘れてはならない。この表示が変わろうと、消費者側は十分な知識をもって志向的に嗜好したい。賞味期限は、お腹ではなく舌や鼻であり、脳で対応しよう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO74191550T10C14A7MM8000/