女性的と思われてきた資質

(日経「春秋」2013/12/8付) 「男性がもっと女性のような発想で動けば、世界は好ましい方向に変わるだろう」。この意見に賛成か反対か。世界平均では男性の63%、日本人男性だけだと実に79%が賛成という結果になったそうだ。「女性のような」とは共感、親切、柔軟、献身的といった、これまで主に女性的と思われてきた資質を指す。変化が速い時代には、さまざまな人と柔らかくつながる能力が大事だからだと。他者の悩みに共感する力や逆境を糧にする柔軟さが、確かにまぶしい。かつて働く女性がリーダーを目指すには「男になる」ことを求められた。剛気で、部下ににらみを利かし、下品な冗談にも動じず、等々。先の調査結果が的確だとすれば、これではむしろ本人も会社も損をする。弱みと思われてきた面こそが実は強みかも。女性が活躍する社会をつくるには、そんな視点も役に立ちそうだ。
(JN) 「男性がもっと女性のような発想で動けば、世界は好ましい方向に変わるだろう」という調査に、日本の男性は、世界平均に比べて高いのは、日本社会における女性の立場の現状がやはり良くないことを示しているのであろうか。また、母親に甘やかされて育った男どもは、やはり女性のその力に頼らざるを得ないのであろう。それなのに、女性の活躍の場は閉ざされているのが日本である。グローバル社会で活躍するにあたっても、女性の力は欠かせない。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO63771340Y3A201C1MM8000/