織田作之助が、ちょっとしたブームらしい

(日経「春秋」2013/8/4付) うなぎの「まむし」、かやくご飯に粕汁(かすじる)、関東煮(かんとだき)、あらかじめ混ぜてあるライスカレー……、織田作之助の「夫婦善哉」。オダサクが今年が生誕100年。NHKがこの代表作をドラマ化するなど、ちょっとしたブームらしい。じつは「夫婦善哉」には未発表の続編があって、6年前に完全なかたちで見つかった。最近それが岩波文庫に収められ、今月下旬から放映のドラマも正続あわせた内容になるという。続編の舞台は九州の別府だ。昭和18年ごろの執筆とみられ、検閲を恐れて雑誌編集者が掲載を見合わせたようだ。正続を通して読むと「夫婦善哉」のイメージがちょっと変わるだろう。これは時代に翻弄される男と女の歴史でもあるのだ。平和な日々の「うまいもん」食べ歩きも、やがて遠景となっていく。オダサクは戦後まもなく亡くなった。もっと生きたなら、新しい世を闊達に渡っていくふたりを描くことができたかもしれない。
(JN) 私はまだ『夫婦善哉』を読んでいないし戦争も知らないので、織田作之助の作品について語ることはできない。想像でも難しいが、戦争中は全てのことが一本化して行く、恐ろしい時代になってしまう。そういう時代がどうであったか、小説を通じて感じる必要があろうし、テレビで見られるならわかりやすいであろうか。それを待つとともに、まずは無料のキンドル夫婦善哉』をダウンロードして読んでみましょう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO58099600U3A800C1MM8000/