夫婦の同姓・別姓ももう少し柔軟に考えてはどうだろう

(日経「春秋」2013/6/2付) 外からかかってきた電話を新入社員が受けたが、先方が口にするAという名に覚えがない。困って全員に呼びかけた。「Aさんという方、居ますか」。女性社員のBさんがすかさず答えた。「それ、私の昔のダンナの名字だから。覚えといて」。結婚や離婚で名が変わり、不利益を現実に被っているのは、大抵が女性だ。弊害を避けるため旧姓使用も広がるが、実際は面倒が残る。先ごろ夫婦に同姓を強いる民法に合憲の判決が出た。憲法判断はさておき、女性がいきいき活躍する社会を現政権は目指すと聞く。同窓会に年賀状と、名前が女性の未婚・既婚などを示す慣習はいつまで続くのか。誰もが名字を名乗り始めてほんの100年余り。夫婦の同姓・別姓ももう少し柔軟に考えてはどうだろう。
(JN) 名字を変えることに不便が生じる。名付けた者も、結婚したらどうなるかも考えていない。「鈴木まり」が金田さんと結婚して「かね、だまり」。「山本ゆい」が荒川さんと結婚して「あら、かわゆい」。「佐藤香里奈」が大場さんと結婚して「おおばか、りな」。冗談はさて置き、名字の変更は法で定めるのではなく、それぞれの個人が考えるべきであろう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO55747640S3A600C1MM8000/