民意におもねって拙速に矛盾だらけの決定をする

(日経「春秋」2012/9/20付) 三差路で迷った易者が通りがかりの牛遣いに道を尋ねた。意地の悪い牛遣いに「人のことが分かるんだから自分のことくらい占えるだろう」と言われた易者が答えていわく、「おっしゃるとおり占ってみたら、あなたに聞けという卦(け)がでた」。江戸時代の笑い話である。「ぶれない」「決める」の看板を掲げた政府が易者の役回り。牛遣い役は、近いうちにありそうな選挙を左右する民意か。看板倒れの政府の苦肉の策が「民意に聞け」だったのだろう。三差路での沈思はむしろお勧めしたいほどだ。問題は、民意におもねって拙速に矛盾だらけの決定をすること。矛盾をつかれると一転、いともたやすく決定を覆すこと。
(JN)ご都合主義の「民意」、政治方針で出来上がった党ではない寄り集まりであるこの党、「ぶれる」し「決められない」のは当然であろう。「民意」も「ぶれる」ので、数年間を一つの党に任せることができないので、衆参のバランスが悪くなる。国会は法案が「決められない」。私たちは立ち止まってまずは沈思したい。マスコミに簡単に操作される「民意」の判断停止してじっくり私たちの将来がどうあるべきか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO46325830Q2A920C1MM8000/