野田さん、歯切れの良さはどこへ行ったのか

(日経「春秋」2012/9/16付) 野田佳彦首相は1987年4月、29歳で千葉県議選に当選後、半年後、本会議場で初めて質問に立つ。地元市町村の問題を取り上げる議員がほとんどのなかで、「代表質問という自覚のもとに」30分の演説を始めた。県の課題と対策をはっきり論じた新人議員の演説は評判になった。そうした歯切れの良さはどこへ行ったのかと思うのが、いま民主党代表選を戦っている野田首相だ。踏み込んだ発言を避けている。駅前で県政報告のマイクを握り、行き交う一人ひとりの顔を見るなかで、教育や土地の問題など県民生活に考えを巡らせたことだろう。思うところを明確に語り、1人だけでも実践するのが野田色のはずだ。ほかと群れない持ち味を、代表選の期間中に見たい。
(JN)全ての人のため心地よい言葉などない。対象を絞らなければ、歯切れも悪くなろう。党の代表者であるが、代表者戦では代表者の身から野田さん個人に立ち戻り、飾らない言葉を聞きたい。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO46201690W2A910C1MM8000/