卒業証書なら壁に飾ってある。でも何の助けにもならなかった

  • (日経/春秋 2012/7/22付) 「卒業証書なら壁に飾ってある。でも何の助けにもならなかった」。米国の歌手、ビリー・ジョエルさんが1982年に発表した「アレンタウン」という歌の一節だ。まじめに働けば報われるという教師の言葉はウソだった。職場が消えていく、それでも僕らはこの町で生きる、と力強く言い切って歌は終わる。米国の後を追うように、いま日本からものづくりの現場が消えつつある。代わって雇用の担い手として期待されているのは、発想とセンスに頼る知識労働や、会話と気遣いが肝の接客・サービスといった分野らしい。寡黙でまじめだが気配りや人づきあいの苦手な人には、なじみにくいかもしれない。雇用を巡る議論には、こうしたきめ細かい視点もほしい。
  • (JN)確かに卒業証書は役に立たない。それを授与されるまでに学修が役に立つのである。学校は、そのカリキュラムが役に立つために、過去の遺産にしがみついてはいられない。100年前と同じような教室で、30年同じ講義をやっているようでは役に立つことが減少するであろう。社会は変わる。それに対して雇用体制を変えていくとともに、学校も変化していくことが必要である。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO44013110S2A720C1MM8000/