#二重計上

『#二重計上』<2021年12月17日(金)>
 「建設工事受注動態統計調査」を書き換えていた問題に『筆洗(211216)』は思う。武田信玄上杉謙信にこんな句を送った。<杉枯れて竹たぐひなき明日かな>。上杉は枯れて弱くなり、竹(武田)がこれまでにないほどに勢いを増す▼謙信はその句を少々書き換え、信玄に送り返した。<杉枯れで竹だくびなき明日かな>。わずかに濁点をつけたり、とったりしただけで意味は大きく変わってくる▼国土交通省が二〇一三年度から八年間にわたって勝手にいじっていたのは濁点どころではない▼建設業者が公的機関や民間から受注した工事実績に関する統計で、国の景況判断指標の一つにもなっている。当然ながら、本物の数字より過大に算出されてしまう▼今年四月、会計検査院に「精度が低い」と指摘されるまで同省ではこうした二重計上も問題ないと考えていたと聞く。こっこうしょう。謙信をまねて「ごつごう(ご都合)省」と、書き換えたくなる。
 (私たちは)行政の管理を、私たちが選んだ者、或いは首相の指名を受けた者に、任している。しかし、官僚に甘く見られていた大臣がいたようで、このようなことが生じたようだ。人は石垣、人は城。私たちは、きちんと人を選ばないとこういう事が起こる。
#建設工事受注動態統計調査
#書き換え
#武田信玄
#上杉謙信
#国土交通省

f:id:morningstar:20211217131742j:plain

 

#孝行

『#孝行』<2021年12月16日(木)>
 年末となり、『明窓(211214山陰中央新報)』は孝行を思う。中国の故事<烏に反哺の孝あり>。「成長したカラスは親に口移しで食べ物を与える。カラスでさえ養育の恩返しをするのだから、人はもっと親孝行すべきだ」という教え。『親孝行の日本史』(明星大の勝又基教授)によると、親孝行を功徳する考えは江戸時代に全盛となったと。5代将軍徳川綱吉は、親孝行が顕著な孝子の顕彰を推奨▼病で伏せる親の代わりに重労働。両親の使う筵を前もって体で温めるといった逸話が生まれ、文学や落語に影響を与えた▼明治時代に入ると、孝子は緑綬褒章の対象。昭和の軍国主義で忠義を親だけでなく体制にも求めた▼令和になっても、親は地方、子は都会に住み、正月に子や孫が顔を見せに来るの▼コロナ禍だが、第6波を前に自粛要請のない今がチャンスかもしれない。今のうちに親と子が思いを交わすのも一つの孝行と考えたい。
 (私も)里帰りをした。父が「もう帰ってもいいぞ」というまで、子ども(孫)たちが大騒ぎで家を駆けずり回る。あの頃の父の年に近くなり、気持ちがわかるようになってきた。疲れたであろう。幾つになっても、心配・迷惑をかけた。そして、いまは心配をしている。それが親子の関係であろうか。孝行とは違うだろうか。
#カラス
#江戸時代
#文学
#落語
#正月

f:id:morningstar:20211216133715j:plain

 

#サンタクロース

『#サンタクロース?』<2021年12月15日(水)>
 クリスマスが近づき、『南風録(211215)』は18歳以下の子どもに届ける10万円給付を思う。クリスマスのプレゼントに何が欲しい?-。高校生500人に尋ねたところ、1位は「お金」。好きな物を買える、友達と遊ぶ時に使いたい-といった理由が挙がる。自由度の高い選択ではある。ただ多くの“サンタクロース”は寂しがるに違いない。何を贈れば子どもに喜ばれるか真剣に考えているだろうから。一方、岸田文雄首相は、政策を詰めずに打ち出し、修正を繰り返すだけでは、「聞く力」を発揮したといくら言われても政治の信頼は低下するばかりだ。どんな魅力的なプレゼントも手放しで喜べなくなる。
 (私が)サンタさんであったことろは遥か昔。子どもたちは何を喜ぶか、事前アンケートを実施したであろうか。まあとにかく、使ってもらえいることが嬉しいわけで、政府も子どものために使ってもらいたくて、商品券案を出したわけだが、思慮不足であったか。サンタさんは大変である。
#クリスマス
#10万円
#プレゼント
#子ども
#政治の信頼

f:id:morningstar:20211213194108j:plain

 

#ただ一本の草の芽に着目している

『#ただ一本の草の芽に着目している』<2021年12月14日(火)>
 フランスの大統領選に『談話室(211211山形新聞)』は思う。▼▽ゴッホは手紙に記す。「日本美術を研究すると、哲学的で知的な作品に出合う」。なぜなら「ただ一本の草の芽に着目している」から。▼▽時を経て大統領選を来年4月に控えた昨今のフランスでは、日本が別の意味で取り沙汰されているという。▼▽極右評論家エリック・ゼムール氏の発言、「この40年間、移民を拒否してきた日本がモデルだ」。▼▽今月初めの集会では男に飛び掛かられるなど、反発する向きも多い。そんな中で支持が急上昇、マクロン大統領を上回る勢いを示すのが右派野党の女性候補バレリー・ペクレス氏。学生時代に日本語を学び東京にも滞在したという。何かと日本が話題に上る大統領選である。
 (私は)先日、「ゴッホ展」に行ってきた。あまり上手とは言えないこの画家の絵に何故、人は心を惹かれるのか。この絵、好きだが疲れる心。浮世絵は「ただ一本の草の芽に着目している」のか。日本の現実は「草の芽」をどのように扱っているのか。おフランスの大統領選が日本をどのように上手に使うのであろうか。
#ゴッホ
#日本美術
#移民を拒否
#日本がモデル
#ペクレス

f:id:morningstar:20211116110100j:plain

 

#地球規模の被害

『#地球規模の被害』<2021年12月13日(月)>
 インドネシアのジャワ島東部スメル山の噴火に『余録(211212)』は思う。「白玉千箱ありとも何ぞ能く冷を救はむ」。宣化天皇が凶作への備えを命じたのは536年とされる▲同じ年、遠く離れた東ローマ帝国、「太陽が月のように輝きを失い、一年中、日食のようだった」と。考えられるのが火山爆発である▲アイスランドや北米の火山説もあるが、インドネシアの火山島クラカタウも有力な候補で535年の爆発説がある▲この火山はジャカルタ西方のスンダ海峡にあり、1883年の爆発では島の3分の2が消滅して津波被害を含め3万6000人以上が犠牲になった。この時も噴煙が成層圏まで達し、北半球の気温が低下したという▲今回の4日の噴火で火砕流が発生し、40人を超える犠牲者が出た▲桜島を抱える鹿児島市など両国の自治体や研究機関の間では防災などの交流が進んでいる。時に地球規模の被害をもたらす火山災害。今後も協力を重ねていきたい。
 (私たちは)遠方の火山噴火であろうと、わが身のように戦く。火山の大爆発は近隣の住民を飲み込もうとおするだけでなく、上空や海上に幕を張り、広く影響をもたらす。それは我々の生活不安に、また様々な余波を呼ぶ。この火山の活動を食い止めることや正確な余地がまだできない。日本沈没とはならなくとも、国際間の研究協力や住民の受け入れを考えたい。
#スメル山
#噴火
#宣化天皇
#東ローマ帝国
#536年

f:id:morningstar:20211213140533j:plain

 

#あちらを立てれば

『#あちらを立てれば』<2021年12月12日(日)>
 北京冬季五輪パラリンピックを巡る外交ボイコットの動きを『水や空(21/12/11長崎新聞)』は思う。〈事故を起こして沈没しそうな豪華客船。海に飛び込んでもらおうと船長が乗客の説得を始めた〉…米国人には「ヒーローになれますよ」、英国人には「ここで飛び込むのが紳士というものです」、イタリア人には「あそこで美女が泳いでいますよ」…▲ドイツ人には「規則で決まっています」、フランス人には「絶対に飛び込まないで」、中国人には「海にはうまそうな食材が」などと続き、日本人への説得文句は「皆さん飛び込んでいますよ」▲中国の人権状況を問題視し、口火を切ったのは米国。オーストラリア、英国、カナダが同調する構えを見せている▲さて日本は…。笑い話の通りならば、予想される選択は「追随」だが▲あちらを立てればこちらが立たない。難題である。
 (私たちの)首相は勝ち馬を選ぼうとしているのであろうか。それとも、人権、政治・経済、個人の思いに悩み、決断をしようとしているのか。いや、国民の思いを聞こうとしているのか。岸田色をいよいよ出す時であろうか。民主主義はイエスやノーでバッサリできないが、この行くか行かないかはどちらかしかない。でも、理由付けは色々ありそうだ。考えてみましょう。
#北京冬季
#外交ボイコット
#笑い話
#追随
#こちらが立たない

f:id:morningstar:20201008161036j:plain

 

#食中毒特別警戒情報

『#食中毒特別警戒情報』<2021年12月11日(土)>
 ノロウイルスによる食中毒や感染性胃腸炎の集団発生は冬場に多い。『雷鳴抄(211211下野新聞)』はこれを心配する▼昨年、県内ではどちらも発生がなった。新型コロナウイルス感染症対策の徹底が奏功したと考えられていたが、今年に入り感染性胃腸炎の集団発生が相次いでいる▼原因ははっきりせず、アルコール消毒する機会が増え、それで安心して手洗いしない人が増えたことを指摘する声もある▼ノロはコロナと違ってアルコール消毒薬が効きづらい▼定点調査する医療機関感染性胃腸炎の報告数が増えたため県は11月末、2年ぶりに「食中毒特別警戒情報」を出した▼ノロと同様冬季に発生が多いのがインフルエンザ。昨シーズンはほとんど報告がなく、今シーズンは10月に1人が確認されただけ。コロナ第6波が心配される昨今、はやらないままでいてほしい。
 (私は)その昔、アルコールで体の中を消毒すれば大丈夫と、酒を飲みすぎ調子を壊した。世に万能薬はないようである。一つひとつ、対応していかないと、ウイルスの攻撃を受けてしまうようである。手洗い、手のアルコール消毒を続けていると、今度は手が荒れる。ハンドクリームの世話にもなる。丁寧に対応していこう。
#ノロウイルス
#食中毒
#感染性胃腸炎
#手洗い
#インフルエンザ

f:id:morningstar:20211211112215j:plain