手書きの文化、これからどうなる 231221

 郵便料金が値上げされることに『あぶくま抄(231220福島民報)』は思う▼112年前の今頃、その女性は脇目も振らず、文字をつづる練習を。野口英世博士の母シカ、その成果は1通の文となり、海外に滞在していた息子へ送られる▼きれいな文面とは言い難い。なればこそ、「とにかく会いたい」との切実な思いに胸が詰まる▼手紙、はがきとも来秋、3割を超える値上げになる見通し。インターネットやSNSの普及で、郵便物が減っている。引き上げを機に、国民の足はポストからますます離れてしまいそうだ▼母から届いた通知が、メールやLINEだったとしたら…。英世の反応はいかに。行間からあふれる温かな息遣いにこそ涙が湧いたのだろう。手書きの文化。これから、どうなる。
 (私は)思う。郵便料金の値上げは、更なる郵便離れを広げるのだろう。日本郵政は値上げにより赤字をどこまで減らせるかを考えているのか。否、一気に赤字が広がるのではないか。個人の住所というものが個人情報であり、情報の伝達はもう郵便では届けにくい。それに値上げが加わり、世の中は一気に郵便離れだ。もうそれは止められない。