臭い物にふた 231124

 ホウレンソウがおいしい季節に、『小社会(231124高知新聞)』は「報連相」を思う。「報告・連絡・相談」、1982年、山種証券の社長だった山崎富治さんが社員に提唱したのが始まり。これが瞬く間に世間に広がる。それから40年余り、いまや報連相はどの組織でも常識である。ただ、ややもすれば部下にのみ課される心得になっていないだろうか。山崎さんが説いたのは「上下の報告」「左右の連絡」「上下、左右にこだわらない腹を割った相談」だった。つまり組織全体の風通し。報連相にはそれを上司やトップが生かす姿勢が欠かせず、「臭い物にふた」は「大敵」とした。旧ジャニーズ事務所宝塚歌劇団日本大学の問題、いまの政権…。どれもゆがんだ報連相が見えてくる。
 (私は)思う。報連相はなかなか難しい。言ってはならぬことを広げて、伝達しなければならぬことを隠してしまう。組織は上下左右の関係で考えが異なる。その中で、危険物が隠され、秘かに一部で報連相。それはゆがんだ報連相の一種か。二種か、多種多彩であり、危険物を隠していると、その内ふたが閉まらず飛び出してしまい、大騒ぎである。