『#なにがめでたいか』

『#なにがめでたいか』<2023年1月3日(火)>
 年が一つ増える正月はめでたいのかと『筆洗(230103)』▼南方熊楠は、元日に禁じていた言葉があったそうだ。それは「おめでとう」。「命が縮まるのになにがめでたいか」と言▼<門松は冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし>は一休禅師▼年齢を感じにくくする方法があるらしい。<雑煮食ぶ暦年齢は虚なり>は俳人金子兜太さんはその年齢はウソだと決め込んでいる▼あくまで金子さんの持論だが、女性の場合は実際の年齢の七掛けとし、男性の場合は八掛けとするのだそうだ。それを「肉体年齢」と呼び、その年齢を信じて元気に暮らそうよと語っていた▼今年還暦の身はなんと「四十八歳」。なるほど正月に「なにがめでたいか」とか、冥土の旅の一里塚とは思わない。
 (私は)思う。世の中は、おめでたく真っ新な新年を迎えるほど、おめでたくない▼南方熊楠のように「おめでとう」は禁句だ。過去の問題を忘れず拾い上げ、関係性を見出し、一杯背負って新年を迎えたい▼年々死に向かっていることは間違えないからこそ、未来に人たちに少しでも問題を残さないようにしたい。
#正月,#南方熊楠,#おめでとう,#禁句,#問題