『#しばらく張り詰めた静寂』

『#しばらく張り詰めた静寂』<2022年9月14日(水)>
 山形交響楽団定期演奏会でのスティーブン・イッサーリスさんの演奏に『談話室(220913山形新聞)』は思う▼パブロ・カザルスは一世を風靡した20世紀のチェリスト。独奏楽器としてのチェロの魅力を聴衆に広めた功績、加えて、自由と平和を求め続けたヒューマニストとしての活動▼1971年、94歳だったカザルスは国連に招かれ、故郷カタルーニャの民謡「鳥の歌」を弾いた。こんなスピーチを添えて。「鳥たちは大空を飛びながら歌っています。『ピース、ピース、ピース』と」。曲は、平和への願いを象徴する存在となった▼イッサーリスさん、クラシック音楽界を代表するチェリストシューマンチェロ協奏曲などで融通無碍の独奏を聞かせ会場を魅了。盛大な拍手の中、アンコールに選んだのが「鳥の歌」▼最後の一音が消え入っても、しばらく張り詰めた静寂が支配した。その時、聴衆の多くが思いをはせていたに違いない。「ウクライナに平和が早く訪れんことを」。
 (私は)あの静寂が好きだ▼演奏が終わるとせっかちさんは直ぐに拍手。コロナ前ならブラボー。待ってくれよと言いたい。あの静けさが長く続いて欲しい。終わらないでくれと▼静寂はホールにいる者たちの大事な時間だ。あの時間でそれぞれに思う。音楽を聴くことのできる平和に感謝。
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