#政権に問われる力量

『#政権に問われる力量』<2022年2月14日(月)>
 物価が上がる今、『小社会(220213高知新聞社)』はその対応に、夏目漱石を思い出す。文京区西片に1906(明治39)年に引っ越した。「吾輩は猫である」「坊っちゃん」などを発表した後、ちょうど職業作家になった時期に当たる。ところが漱石はわずか9カ月で再び転居してしまう。理由は大家にあった。時の作家と知り、たびたび家賃を上げてきたという。その後発表した「三四郎」に漱石の体験と憤慨が込められたような一文がある。「家賃をむやみに上げるのが、業腹だというので、与次郎がこっちからたちのきを宣告したのだそうだ」。家賃ならそんな対抗ができても、毎日の暮らしに欠かせない食品や日用品が一斉に上がるとどうか。「買いません」とはたんかを切れまい。背景にある世界的な原料不足や原油高騰、円安などに個人が対応するのは限界がある。今春、政権に問われる力量はコロナ対応だけではない。
 (私たちの)生活はいつ良くなるのか。漱石根津神社の石に座り、世をどう思い、作品を生み出したのか。名前のない私たちは、枠の中で飼い慣らされた羊か。この枠を飛び出して、何ができるだろうか。迷羊、迷羊、どこへ行く。
#物価
#夏目漱石
#三四郎
#家賃
#原油価格

f:id:morningstar:20130821144725j:plain