#森林限界の手前

『#森林限界の手前』<2022年2月15日(火)>
 五冠を達成した藤井聡太さんに『筆洗(220215)』は思う。「他に勝る事の有るは、大きなる失なり」ー(『徒然草』第百六十七段)。「他人より優れていることがあるのは、大きな欠点なのだ」と▼その長所、優秀さによって、己の心のどこかに慢心が生まれる。その道に本当に通じている人は自分自身の至らなさを知っているもので、常に高い境地を目指し続け「終に物に誇る事なし(最後まで自慢するようなことはない)」と▼十三日の記者会見。富士山でいえば、自身の将棋の現在地はどのあたりにあるのかと問われ、「森林限界の手前」と。森林生育の上限の地点のことで富士山ならば、五合目付近だそうだ。十九歳の目標の高さや謙虚さに感心する▼派手なガッツポーズやビッグマウスが出ても不思議ではない年ごろかもしれないが、この天才に慢心はない▼五冠でも森林限界付近。だとすれば頂上には何が待っているのだろう。
 (私は)彼のインタヴューのシーンを見る度に心配になる。これから成人になり、真面な暮らしをして行けるのか。彼の頭脳は将棋以外にも発揮されるのか。周りに悪いものがいたら騙されないか。親でも親戚でもないが心配である。将棋連盟にはこの破天荒を如何に育てていくのか。
#五冠
#藤井聡太
#徒然草
#富士山
#五合目付近

f:id:morningstar:20210413143511j:plain