『近ごろ、ああいう甘くない二枚目俳優を見ない』

『 近ごろ、ああいう 甘くない二枚目俳優を見ない』<2020年8月16日(日)>
 渡哲也さんが七十八歳で亡くなった。『筆洗(200816)』は渡さんを想う。「病やけがに悩まされた。NHK大河ドラマ勝海舟』は途中降板。映画『仁義なき戦い』の広能役は当初、菅原文太さんではなく、渡さんで検討されたと聞くが病がそれを阻んだ。この人が演じたアウトローを色でたとえるならと想像してみる。健さんは青か。文太はほとばしるような赤だろう。渡哲也は複雑な灰色かもしれぬ・・・判然としない不安定な色だが、ほんの一滴、別の色をたらせばまたたく間に変化する。激情を隠した灰色。そういう生々しい役柄に持ち味が生き、それが高度成長期の陰の部分にも似合った。様子のいい二枚目だった。近ごろ、ああいう甘くない二枚目俳優を見ない」。
 (JN) 『勝海舟』の降板残念であった。どんな海舟になったろうか。松方弘樹とはずいぶん違う勝海舟像であったろう。シャイだがやんちゃ、灰色の勝海舟か。黒船来航をどう迎え、西郷との会談はどんな具合であったろうか。やんちゃなおじさん、今度のところでは、ケガも病気も心配ない。自由に演じてください。
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